はみだしコランタン digital*

漫画「コランタン号の航海」シリーズの公式ブログです。
山田睦月・大木えりかの二人で運営しています。
リージェンシー式、礼儀作法の覚書
リージェンシー(後のジョージ四世が摂政をしていた19世紀初頭)時代のロンドンを舞台にしたお話を考える上で難しかったのが、上流階級のマナーです。
色々とルールがあるようなのですが、何しろビクトリア朝と比べて資料が少ない!ので、誤魔化してしまった部分が沢山あります。(ストラザーン男爵邸での食事会の席順とかです)
船上生活の規則とかなら、詳しいんですけれども(笑)。

なので、先日ジョージェット・ヘイヤーの『素晴らしきソフィー』を再読していて出てきたものを、後々に備えてリストアップしておこうと思います。

1.家族が亡くなったら、女性は6ヶ月間は喪に服すらしい(黒い手袋を嵌める)。

2.食事の時は、テーブルを隔てて反対側の人に話しかけるのは礼儀作法に反する。(女性の場合だけ?)

3.女性は銀行を訪問しない。

4.ハイド・パーク(ロットン・ロウという馬車道がある)で馬を走らせる時も、ギャロップ(全速力)してはいけない。

5.当時の社交場といえばオールマックス。入場するにはパトロネスから許可証を受け取る必要がある。

6.当時の婚約は、女性のほうから解消することは出来るけれども、男性は出来ない。

7.女性はセント・ジェームズ・ストリートには行かない(男性向けのクラブが一杯あるから)。

8.当時の美肌術。
i) 子牛の生肉を寝る前に顔に張りつける。
ii) チャービル水(フランス語だとセルフィーユ。ケーキに使ったりするハーブですね)
iii) つぶした苺を張りつける。

9.上流階級の夏の行楽地といえば、ブライトン。でも、摂政皇太子がご贔屓にするまでは、ラムズゲートの方が有名だった模様。あと、夏のロンドンに残る人はあまりいない。(ロンドンの社交シーズンは冬なのです)

10.たとえ使用人がいたとしても、付き添い役の婦人がいない状態で男性と女性が同じ邸宅で一晩を過ごしただけで、女性は傷物の烙印を押される。

11.寒くて風邪を引きそうなときは辛子入りの足湯に浸かると良い。



こういう日常の些細な規則って、小説でも読まない限りは分からないので、なかなか興味深いです。主人公のソフィーが型破りなので、彼女が違反しているものが当時の礼儀作法なのだということがよく分かりました(笑)。
それにしても、女性にとっては面倒くさい時代ですね。まあ、ベッツィちゃんを初めとする一般大衆は、もっと元気に暮らしていたと思いますが。

あ、でも、辛子入りの足湯は温まりそうですね。子牛の肉は微妙(笑)。


ちなみにジョージェット・ヘイヤーは最近新しい翻訳が出ました。


愛の陰影 (MIRA文庫) 愛の陰影 (MIRA文庫)
ジョージェット・ヘイヤー
ハーレクイン

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こちらの舞台は革命前のフランスです。
個性豊かな登場人物が沢山出てきて、なかなかドラマチックな物語です。この調子でヘイヤーの翻訳が進むといいですね。(でも、ロマンス小説としてはどうなんでしょう・・・?もう少し一般向けのレーベルでもいいんじゃないかしら)
| 大木えりか | はみだし | 01:22 | comments(5) | trackbacks(0) |
あっ…
会食シーンでは、わたしが大ポカをしたのでしたよ!
女性が発言しちゃいけないタイミングで男爵夫人をしゃべらせてしまうとか、席順にこだわる時間が無くなってしまうとか…(ごめんなさいでした!/^^;)
ムズカシー!ですよ…ねー!
でも、当時はたしかにそれが常識だったんだ…と思うと不思議だけど意味のないことではないのよね

でも、何もかも女性にばかり不利…とおもってたんだけど、
6.婚約は女性からの解消だけ可、って、そゆこともあるのね ほー 

子牛の肉もウェ〜?だけど(笑)、
つぶしたイチゴを塗ったお顔…というのも…怖ー!(真っ赤でどろどろー?!/笑)
| 山田 | 2010/03/17 10:52 PM |
いやいや、席順は仕方なかったのですよ。
会食というのはどうやら男女ペアで座るのが正式っぽいんだけど、いきなり女性キャラを増やすわけにもいかず・・・。男爵夫人が紅一点という状況はエチケット的にどうなんだろうと思ったんだけど、まあストーリーを分かりやすくする方を優先しました。

イチゴはビタミンがたっぷりでいいと思うよー。見た目は微妙だけど(笑)。子牛の肉は効能がよく分からない・・・。
あ、でも、殴られた時にもお肉を冷湿布代わりに使ったそうです。

>婚約は女性からの解消だけ可
これは私も一番おどろいたポイント。まあでも、女性に不利なばっかりの社会だったら、こんなにリージェンシー・ロマンスが流行らないような気もする。
面白いね!
| 大木 | 2010/03/24 11:40 PM |
Jennifer Kloester著「Georgette Heyer's Regency World」という本を買ってみました。私の英語力では、すぐには読めないのですが、リージェンシー時代の英国が色々書かれています。エチケットもずらっと書かれてます。もしまだ入手されていないようならおすすめです。
あ、そうそう昨年やったエディンバラ・ミリタリー・タトゥをみんなで楽しむ会の海洋冒険映画版で企画中です。第1回は7/3(土)14:00からです、ホーンブロワーにするか、7/9から始まる宝塚歌劇「TRAFALGAR(トラファルガー)」にあわせて「美女ありき」にするか悩み中です。
| 只野四十郎 | 2010/05/15 1:36 PM |
只野さん、こんにちは!
おぉ、そんな本があったのですねー。リージェンシーは謎のエチケットが山ほどあるので、勉強になりそうです。最近、片っ端からヘイヤーを読んでいるので、余計楽しいかもしれません。
上映会、いいですね! ヴィヴィアン・リーか、グレゴリー・ペックか、悩むところですが・・・。(あ、古い方のホーンブロワーですよね?)
| 大木 | 2010/05/15 11:35 PM |
「Georgette Heyer's Regency World」という本が出ている事自体、英国でも知らない人が多いって事ですよね。ついでに「Behind Closed Doors: At Home in Georgian England」なんて本も買ってたりします。
ヴィヴィアン・リーか、ヨアン・グリフィズかで悩んでます。定期開催を予定していますので、グレゴリー・ペックはヨアン・グリフィズを全部やったあとの予定です。
| 只野四十郎 | 2010/05/16 7:52 AM |









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